運転中に突然、カーナビの画面に黄色い枠が表示されて驚いた経験はありませんか?
このナビの黄色い表示は何を意味するのか、特に大雨の日などに現れることが多く、不安に感じる方もいるでしょう。
トヨタのナビ画面が黄色になる現象や、ホンダのナビで画面が黄色になる症状は、実はドライバーの安全を守るための重要なサインかもしれません。
また、カロッツェリアのナビで表示される黄色い線や、パナソニックのナビが黄色く点滅する場合、カーナビの黄色い線が点滅する背後には、差し迫った危険を知らせる特定の情報が隠されています。
一方で、単純なカーナビの画面変色や、経年劣化によるナビ画面の黄ばみといった物理的な故障の可能性も考えられ、その場合は修理が必要になることも。
この記事では、突然現れるカーナビの黄色い枠の正体から、カーナビの黄色い丸が示す意味、そして故障との見分け方まで、あなたの疑問を一つひとつ丁寧にスッキリ解決します。
カーナビの黄色い枠は警報?その正体とは
- ナビの黄色い表示は何を意味する?
- ナビ画面が黄色になるのは大雨のサイン
- カーナビの黄色い線が点滅する理由
- パナソニックのナビで黄色点滅する意味
- カロッツェリアのナビで見る黄色い線
- 注意!カーナビの黄色い丸は何?
ナビの黄色い表示は何を意味する?

カーナビの地図上に予告なく現れる黄色い枠線や塗りつぶされたエリア。
多くのドライバーが一度は疑問に思うこの表示の正体は、主に「VICS WIDE(ビックス ワイド)」から配信される気象・災害情報です。
VICS WIDEとは、従来のVICSサービスを大幅に拡張したもので、FM多重放送を利用して、より詳細で多岐にわたる交通情報や安全情報をカーナビにリアルタイムで届けるシステムです。(出典:一般財団法人 道路交通情報通信システムセンター)
つまり、画面が黄色くなるのはナビの故障ではなく、「このエリアでは、現在注意が必要な気象現象や災害が発生、あるいは予測されています」というドライバーへの警告サインなのです。
そのため、まずは慌てずに情報を確認し、安全運転に役立てることが重要になります。
VICS WIDEが提供する主な安全情報
黄色い枠や赤色の枠で表示される可能性があるのは、以下のような命や安全に関わる重要な情報です。
- 特別警報・警報:数十年に一度の豪雨や暴風、大雪など、重大な災害の危険性が著しく高まっている場合に発表されます。
- 津波情報:津波警報や注意報が発表された際に、到達予測エリアや時刻を知らせます。
- 火山情報:噴火警報や噴火速報が発表された際に、警戒が必要な範囲を示します。
- 地震情報:震度3以上の地震が発生した際の震源地や各地の震度を通知します。
- 災害速報:大規模な火災や土砂災害など、緊急性の高い情報を伝えます。
これらの情報を活用することで、危険なエリアを事前に回避したり、いち早く安全な場所に避難したりといった行動をとることが可能になります。
このように、ナビの黄色い表示は、見知らぬ土地や夜間の運転中でも周囲の危険を知らせてくれる、非常に頼りになる安全機能の一つと言えるでしょう。
ナビ画面が黄色になるのは大雨のサイン

黄色い警報表示の中でも、特に遭遇する機会が多いのが「大雨エリア表示」です。
これは、近年多発する局地的な集中豪雨や「ゲリラ豪雨」において、ドライバーの安全確保に直結する極めて重要な機能です。
具体的には、気象庁の定義で「非常に激しい雨」とされる1時間あたり50mm以上の降雨が観測、または予測されるエリアが、黄色い枠線や薄い黄色で塗りつぶされて表示されます。
このレベルの雨は「滝のようにゴーゴーと降り続く」「傘はまったく役に立たない」と表現され、道路冠水やアンダーパスの水没、視界不良による事故のリスクが急激に高まります。
ナビの表示は、そうした危険なエリアに進入しつつあることを直感的に警告しているのです。
より危険な状況は「赤色」で表示
ナビのモデルによっては、危険度がさらに高い場合に黄色ではなく赤色の枠線で表示されることがあります。
これは、「記録的短時間大雨情報」や「土砂災害警戒情報」が発表された場合など、命に危険が及ぶような災害発生の危険性が差し迫っている状況を示します。
赤い表示を確認した際は、絶対にそのエリアに近づかず、速やかに離れるか、近隣の頑丈な建物など安全な場所に退避してください。
ちなみに、これらの警報表示は、ナビの地図縮尺が10m~1km程度の比較的詳細なスケールのときに表示されることが多いです。
これは、広域の天候ではなく「今まさに走行しているルート上、あるいはその周辺の差し迫った危険」をドライバーに具体的に知らせるためです。
広域表示に切り替えると消える場合もありますよ。
カーナビの黄色い線が点滅する理由

黄色いエリアがただ表示されるだけでなく、チカチカと点滅することがあります。
これは、静的な表示よりも人間の注意を強く引く「フリッカー効果」を応用したもので、より緊急性や重要性の高い情報をドライバーに確実に認識させるための演出です。
例えば、日産オリジナルナビのMMシリーズなど一部のモデルでは、大雨や災害、大規模なイベントなどで「全面通行止め」になっているエリアの規制情報を、この黄色い点滅表示で知らせる機能が搭載されています。
通常の渋滞情報とは異なり、そもそも進入できないエリアであることを明確に示しているわけです。
この点滅表示は、重要な情報を見逃すリスクを大幅に減らしてくれます。
もし運転中に点滅が煩わしいと感じる場合でも、ナビの設定で安易にOFFにすることは推奨されません。
「VICS情報表示」や「情報点滅」といった設定項目をOFFにすると、次に本当に危険な通行止め区間に遭遇した際に情報を見逃し、立ち往生してしまう可能性があります。
安全のためには、常にONの状態にしておくのが賢明です。
パナソニックのナビで黄色点滅する意味

パナソニック製の人気カーナビ、Strada(ストラーダ)やGorilla(ゴリラ)シリーズも、その多くがVICS WIDEに対応しており、気象・災害情報を受信すると地図上に警報エリアを表示します。
黄色い表示や点滅が持つ意味は、これまで解説してきた内容と基本的に同じで、ドライバーへの安全喚起が目的です。
特にStradaシリーズでは、「安心運転サポート」機能の一環として、これらの警報機能が統合されています。
特別警報(大雨、暴風、高潮、波浪、暴風雪、大雪)が発表されると、「この先、大雨特別警報が発表されました。
今後の情報に注意してください」といった具体的な音声案内と、地図画面へのポップアップメッセージで通知。
さらに、地図上に該当エリアを黄色や赤色で表示し、危険区域を視覚的に伝えます。
黄色い表示は、主に大雨警報や洪水警報など、特別警報に至る手前の段階での注意喚起として用いられることが多いです。
設定の確認とカスタマイズ
表示設定はモデルによって異なりますが、一般的には「情報」や「設定」メニューの中にある「交通情報設定」や「VICS設定」から、どの情報を表示するかなどを確認・変更できます。
詳細な操作方法は、お使いのナビの取扱説明書で「VICS WIDE」や「特別警報」に関する項目をチェックするか、パナソニックの公式サイトにあるサポートページで確認してみましょう。
もし、お使いのパナソニック製ナビで黄色い表示が出た際は、警報の内容をしっかり確認し、安全第一のルート選択を心がけてください。
カロッツェリアのナビで見る黄色い線

パイオニアが誇るカロッツェリアナビ、特に高機能なサイバーナビやコストパフォーマンスに優れた楽ナビシリーズも、VICS WIDEからの情報受信に標準で対応しています。
カロッツェリアのナビで表示される黄色い線や塗りつぶされたエリアも、他のメーカーと同様に、ドライバーの安全を守るための気象・災害警報を示すものです。
サイバーナビなどの上位モデルでは、「スマートセーフティ」という先進の安全運転支援機能群の中に、この警報表示機能が組み込まれています。
これは、単に警報を表示するだけでなく、事故多発地点やヒヤリハット地点、天候情報などを統合的に分析し、ドライバーに最適な警告を行うものです。
具体的には、大雨や津波などの特別警報を受信すると、即座に地図上に警報エリアを明瞭に表示。
もし設定ルートがそのエリアを通過する場合は、「この先、ルート上に大雨警報が発表されています」といった音声で積極的に注意を促し、ルートの迂回を提案することもあります。
カロタリーナビにおける黄色い表示は、主に大雨や洪水などの警戒が必要なエリアを示していると考えて間違いありません。
ディスプレイオーディオとスマホアプリでの注意点
近年急速に普及しているディスプレイオーディオ搭載車では、ナビゲーション機能の多くをスマートフォンアプリ(Apple CarPlayやAndroid Auto経由)に依存します。
この場合、車両自体にはVICS WIDEの受信機能がないため、本記事で解説しているような警報は表示されません。
安全情報を得るためには、Yahoo!カーナビやカーナビタイムといったVICS対応のナビアプリを利用するか、スマートフォンの「緊急速報メール」や「防災速報」アプリの設定をONにしておくことが非常に重要です。
注意!カーナビの黄色い丸は何?

地図上に表示されるのは、黄色い「枠」や「エリア」だけではありません。
時として、黄色い「丸」やその他の小さなアイコンが表示されることがあります。
これは、広範囲への警告とは少し異なり、より具体的な情報を示しています。
この丸いアイコンは、規制や災害などの「発生地点」をピンポイントで示すために使われることがほとんどです。
アイコンの種類はメーカーやモデルによって様々ですが、例えば以下のような状況を知らせてくれます。
アイコンの形状(例) | 示される情報の種類 |
---|---|
黄色や赤色の丸 | 土砂崩れの発生現場、道路冠水の起点 |
バツ印(×) | 事故や災害による通行止めの開始・終了地点 |
三角(△)に感嘆符(!) | 落下物注意、路面凍結注意などの一般的な注意喚起 |
黄色いエリア表示(面での情報)と合わせて、この丸いアイコン(点での情報)が表示された場合は、その地点で具体的な事象が起きていることを意味します。
多くの場合、アイコンをタップ(タッチ)すると「この先50m、土砂崩れのため通行止め」といった詳細情報が表示されるようになっています。
もちろん、操作は必ず安全な場所に停車してから行ってください。
故障?カーナビの黄色い枠と画面変色の違い
- 経年劣化によるカーナビの画面変色
- トヨタのナビ画面が黄色になる原因
- ホンダのナビで画面が黄色になる症状
- ナビ画面の黄ばみは修理できるのか
- まとめ:カーナビの黄色い枠の正しい見分け方
項目 | 気象・災害警報 | 液晶の故障・劣化(黄ばみ) |
---|---|---|
表示タイミング | 大雨など特定の気象条件下で一時的に、リアルタイムで出現・消滅する | 天候に関係なく、エンジンの始動時から常に表示され続けている |
表示範囲 | 地図上の特定エリアのみが枠で囲われたり、塗りつぶされたりする | 画面全体が均一にセピア色のように黄色っぽい、または画面の縁が枠状にくっきり変色 |
地図の縮尺との連動 | 地図の縮尺を広域などに変更すると表示範囲が変わったり消えたりすることがある | 地図の縮尺を変更しても表示は全く変化しない |
他の画面での見え方 | オーディオや設定画面に切り替えると表示は完全に消える(地図画面限定の表示) | どの画面(地図、オーディオ、設定)に切り替えても同様に変色したまま |
経年劣化によるカーナビの画面変色

これまで解説してきた警報機能とは全く異なり、カーナビの液晶モニター自体が経年劣化することで画面が黄色く変色するケースがあります。
これはドライバーの安全を守るための情報ではなく、残念ながら物理的な故障、あるいはその前兆です。
その主な原因は、液晶パネルの裏側で画面を照らしているバックライトの寿命です。
特に2010年頃までのナビに多く採用されていた「CCFL(冷陰極管)」というタイプのバックライトは、家庭用の蛍光灯と同じ原理のため、使用時間とともに劣化し、発光する色味がだんだんと赤みを帯び、結果として画面全体が黄色っぽく(セピア色のように)見えてしまう特性があります。
現在の主流であるLEDバックライトは寿命が長いものの、それでも永久に使えるわけではなく、長年の使用で色味の変化や輝度の低下は避けられません。
液晶焼けによるくっきりとした枠状の変色
もう一つの代表的な原因として「液晶焼け」が挙げられます。
これは、長時間にわたって同じ映像(例えばナビの操作ボタンや地図の枠線など)を表示し続けたことで、液晶パネルの画素そのものが劣化し、その部分だけがシミのように黄色や茶色に変色してしまう現象です。
画面の縁がまるでマーカーで線を引いたかのように、くっきりと長方形の枠状に変色している場合、この液晶焼けの可能性が非常に高いと言えます。
これらの症状は、一時的な不具合ではなく恒久的な劣化です。
電源を入れ直したり時間を置いたりしても自然に直ることはなく、むしろ時間とともに症状が悪化していく傾向にあります。
トヨタのナビ画面が黄色になる原因

トヨタの純正ナビで画面が黄色くなった場合、まずは慌てずに、前述の比較表を参考にして警報か故障かを見極めることが重要です。
近年のT-Connectナビなどは当然VICS WIDEに対応しているため、雨の日に一時的に表示されるのであれば、それは正常な警報機能です。
一方で、天候に関係なく常に画面が黄色い場合は、液晶の経年劣化が考えられます。
特に、市場での流通期間が長かった人気車種の純正ナビでは、劣化の事例も多く報告されています。
例えば、10系のレクサスRXやHS250h、ゼロクラウン(18系クラウンアスリート/ロイヤル)などの純正マルチビジョンでは、画面が黄色く変色する症状が、その世代の「持病」とも言えるほどよく知られた事例となっています。
接触不良という稀なケースも
頻度は低いですが、ナビ本体(チューナーユニット)とモニターを繋いでいる映像ケーブルの接触不良が原因で、色信号(特に青色)が正常に伝わらず画面が黄色っぽくなることもあります。
この場合、走行中の振動で一時的に直ったり、特定の画面だけで症状が出たりするという特徴があります。
DIYでカプラーを抜き差しして改善することもありますが、部品の破損リスクもあるため、まずは専門家に相談するのが無難です。
ホンダのナビで画面が黄色になる症状

ホンダのディーラーオプションナビ「ギャザズ(Gathers)」などでも、状況は基本的にトヨタと同様です。
新しいモデルで雨天時に表示される黄色い枠は、VICS WIDEによる正常な気象警報と考えてまず間違いありません。
しかし、ホンダ車でも特定の人気モデルで液晶の劣化事例が顕著に報告されています。
その代表格が、JF3/JF4型のN-BOXに搭載されている純正8インチナビです。
このナビでは、画面の四辺が黄色や茶色っぽく、くっきりと枠状に変色する「液晶焼け」の事例が、中古車情報サイトや個人のブログなどで多数確認されています。
この症状は、新車登録からわずか3~5年程度で発生することもあるようです。
設計上の熱対策や液晶パネルの個体差などが要因として考えられますが、もし保証期間内であれば無償でのパネル交換対象となる可能性が非常に高いです。
心当たりのある方は、保証が切れてしまう前に、早めにディーラーへ相談することをおすすめします。
中古車で購入した際も、販売店の保証内容を確認してみましょう。
ナビ画面の黄ばみは修理できるのか

警報ではなく、物理的な劣化が原因のナビ画面の黄ばみや変色は、修理が可能です。
しかし、その修理方法とそれに伴う費用は、原因や依頼先によって大きく異なります。
主な選択肢は以下の通りです。
主な修理方法と費用感
- ディーラーでのユニット交換(アッセンブリー交換):
最も確実で安心感のある方法です。ナビユニット全体を新品またはリビルド品に交換します。ただし、費用は最も高額になり、10万円~場合によっては30万円以上かかることもあります。純正部品の信頼性を最優先する方向けです。 - 修理専門業者への依頼:
カーナビや電装品の修理を専門に行う業者に依頼する方法です。劣化した液晶パネルのみを交換したり、基盤を修理したりするため、ディーラーより大幅に安価に済む場合が多く、費用は3万円~8万円程度が目安です。実績豊富な業者を選べば、品質も問題ありません。 - DIYでの修理:
インターネットで交換用の液晶パネルを購入し、自分で交換する方法です。部品代のみで済むため最も安価ですが、インパネの分解や精密なコネクターの取り外しなど、相応の知識と技術、工具が必要です。作業に失敗して他の部品を破損させるリスクも伴うため、自信のない方にはおすすめできません。
もし新車購入時のメーカー保証や、ディーラーの延長保証に加入している場合は、迷わずディーラーに相談するのが最善策です。
自己負担なしで修理してもらえる可能性が高いですよ。
最終的には、修理費用、ナビの使用年数、そして最新ナビの性能などを総合的に考慮して判断するのが良いでしょう。
高額な修理費用をかけるなら、地図データも新しく、スマートフォン連携も快適な最新のナビに買い替えるというのも、非常に合理的な選択肢です。